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2026.09.21 / 販路開拓の実務

食品の販路開拓は、何から始めるか

「売り先を広げたい」と思ったとき、多くの会社がいきなり営業リストを作り始めます。ですが順番を間違えると、断られ続けて疲れるだけで終わります。この記事では、食品の販路を広げるときにどの順番で何を決めるかを、実際に売ってきた側の目線で整理します。

この記事の内容

  1. リストを作る前に決めることがある
  2. 売り先は4つのチャネルに分かれる
  3. 自社の商品がどのチャネルに向くかを見極める
  4. 価格と条件を先に固める
  5. 接触の手段を選ぶ
  6. 断られた理由を残す

リストを作る前に決めることがある

販路開拓の相談で最初に出てくるのは「どこでリストを買えばいいか」という質問です。しかし、リストの前に決めておかないと後戻りになる項目があります。

それは「月にどれだけ出せるか」です。供給余力を決めずに営業を始めると、話がまとまった瞬間に困ります。大手の取引は一度に数百から数千個の単位で動くことがあり、生産が追いつかなければ結局断ることになります。断った相手には、次の提案がしづらくなります。

もうひとつは「どこまで値引けるか」です。掛率の下限を決めずに商談に入ると、その場で判断できず持ち帰りが発生します。商談は温度が高いうちに決めるものなので、持ち帰りは失注に近づきます。

POINT

先に決めるのは「供給余力」と「出せる掛率」の2つ。この2つが決まっていれば、商談の場でほとんどの質問に答えられます。

売り先は4つのチャネルに分かれる

食品の売り先は、性格の違う4つに整理できます。同じ商品でも、チャネルによって求められる条件がまったく違います。

業務用(飲食店・ホテル)原価と作業時間で判断されます。「1食あたりいくらか」「仕込みが何分減るか」が説明できれば通ります。容量は大きめで、パッケージの見栄えは重視されません。
小売(食品店・道の駅・サービスエリア)棚に置いたときに売れるかで判断されます。パッケージ、価格帯、話題性が効きます。最初は少量から入り、動いたら広がります。
卸・商社取引条件と安定供給で判断されます。1社通ると販売先が一気に広がる反面、掛率は最も厳しく、欠品に対する目も厳しくなります。
EC・通販送料込みで成立するかが要点です。単価の低い商品は送料負けします。まとめ買いやセット販売の設計が前提になります。

「とにかく売れるところに売りたい」と考えると、全部に同じ資料を送ることになり、どこにも刺さりません。チャネルごとに訴求を変えるのが前提です。

自社の商品がどのチャネルに向くかを見極める

向き不向きは、次の3点でおおよそ決まります。

1. 単価と容量

業務用は容量が大きく単価が低め、小売は小分けで単価が高めです。いま持っている規格がどちらに寄っているかで、最初に当たるべきチャネルが決まります。両方狙うなら規格を分ける必要があり、それは製造の話になります。

2. 賞味期限

棚に置く商売は、期限が短い商品を嫌います。小売や卸を狙うなら、常温で期限が長いことが有利に働きます。逆に業務用は回転が速いので、期限の長さは相対的に重要度が下がります。

3. 説明の要る商品かどうか

ひと目で何か分かる商品は小売向き、説明して価値が出る商品は業務用や催事向きです。売場に人がいるかどうかで、説明が必要な商品を置けるかが変わります。

価格と条件を先に固める

商談で必ず聞かれる項目は決まっています。これを一覧にして手元に置いておくだけで、商談の通過率が変わります。

これらを即答できない会社は、商談のたびに持ち帰ることになります。持ち帰りは、相手の熱が冷める時間を作るだけです。

接触の手段を選ぶ

売り先が決まったら、どう接触するかです。手段ごとに性質が違います。

架電決裁者に直接届き、その場で温度が測れます。断られる数は多いものの、反応が即座に分かるため改善が速く回ります。新規開拓では最も能動的な手段です。
展示会興味のある相手が向こうから来ます。ただし名刺交換で終わることが多く、その後のフォローが成否を分けます。出展費用も安くありません。
メール・問い合わせフォーム件数をこなせますが、開封されないことが多く、反応率は架電より低くなります。読まれる前提で書ける材料(実績や事例)があると効きます。
紹介最も通りやすい反面、量をコントロールできません。既存の取引先や同業から広がるのを待つ形になります。

能動的に件数を作れるのは架電です。ただし、当たらないリストに架電しても時間を失うだけなので、ターゲットの精度が結果を決めます

断られた理由を残す

最も見落とされるのがここです。断られたとき、その理由を記録しているかどうかで、半年後の景色が変わります。

「価格が合わない」「ロットが大きい」「棚が空いていない」「時期が悪い」。理由が集まると、商品の問題なのか、ターゲットの問題なのか、時期の問題なのかが分かれてきます。断りの理由は、次の商品開発とターゲット設計の材料です。

記録がないまま件数だけこなすと、同じ断られ方を繰り返します。逆に記録が残っていれば、当たっている業種に寄せていくだけで獲得率が上がっていきます。

まとめ:順番を守るだけで結果が変わる

  1. 供給余力と掛率の下限を決める
  2. 狙うチャネルを1つか2つに絞る
  3. 商談で聞かれる条件を一覧にする
  4. 能動的に件数を作れる手段を選ぶ
  5. 断られた理由を全件残す

この順番を守らずにリストから入ると、条件を詰められないまま商談を落とし、何が悪かったのかも分からないまま終わります。

当社は食品専業で、自社でも製造・卸売・小売を行っています。ターゲットの抽出から架電営業、商談の獲得までを代行し、ご要望に応じて商談・成約まで伴走します。架電結果は全件データでお渡しするので、断りの理由もそのまま貴社に残ります。

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